実録?百物語

18、深夜の編集部 その4

text by 網屋徹

某雑誌の編集部で同僚だったNSさんから聞いた話。

彼女がKOくんと2人で徹夜残業をしていたある夜、近所のファミレスで休憩しようということになった。道すがら、深夜はあの編集部に居たくない、どう考えてもヤバすぎる、なんて、深夜の編集部で経験した怖い思い出を話していたんだって。

そのファミレスまで行く途中に公園があるんだけど、その日に限って、彼女はその公園の方には行きたくなかったそうな。公園の方を通るとヤバイことが起こりそうな、予感めいたものを感じたらしい。

公園の前の交差点までくると、KOくんが何も言わずに公園を避ける道を歩いていくので、ほっとして彼の後をついていった。道を曲がりながら公園の方をちらっとみると、ぼぅっとした青白い光で公園全体が包まれていたんだと。

ファミレスに着くと、KOくんが「おれ、今日はなんとなくあの公園の側は通りたくなかったんですよ。なんかいやーな気がして...」と言う。「え、じゃあ、公園が青白く光ってるの見た?」って聞くと、彼は黙ってうなずいたらしい。

帰りにその公園の脇を通ってたが、先程見た青白い光はどこにもなく、そんな光を出すようなものも、その公園にはなかったんだって。

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