実録?百物語

62、お化け屋敷 その2

text by 網屋徹

怖い話好きだった兄貴が体験
した話。前話で取り上げたお化け屋敷を探検しに行ったらしい。rnrn街が寝静まった深夜、友人と2人で出
かけたそうな。問題の家は、斜面を切り開いて作られた住宅地の奥にあり、周りは家もまばららしい。家の目の
前まで車で行くことができないので、適当な場所に車を止めて歩いていくことにしたんだと。rnrnその家に
向かって歩いていくと、暗闇に響く2人の足音に紛れて、何かの音が聞こえてきた。はじめは、近所の家から聞こ
えてくるテレビかラジオの音だと思ったらしい。しかし、問題の家に近づくにつれて、その音は音量を増してく
る。しかも、ウゥゥゥというような低い音だったんだと。まるでホラー映画の効果音のような。rnrn 「こ
れってあの家から聞こえてくんじゃないの?」と友人。rn 「そんなわけあるか」と兄貴。rnrn実際、そ
の家が「近寄るな」とでも言っているような感じだったらしい。家に近づくにつれて、低音は音量を増してく
る。耳を押さえないと我慢できないくらいになってきた。しかし、強がりな兄貴はそれでも家の方へ近づいて
いったんだと。rnrnふと音が止んだ。その家まで10数mの距離まで来たあたりだったらしい。「そこまで
して来たいなら来ればいい...」、兄貴には、家がそう語っているように思えたんだと。とたんに恐怖が襲ってき
て、「やっぱ、やめようか」と言って恐る恐る車まで戻ったんだと。走るとよけいに怖くなりそうで、強がって
歩いて戻ったそうだが、戻るときも、やはり先ほどの音が聞こえたらしい。今度はフェードアウトで。rnr
n「で、それには後日談があって...」と言って兄貴は、次のような話も聞かせてくれた。

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