実録?百物語

9、夜景

text by 網屋徹

兄貴が子供の時の話だから、今から軽く30年くらい前の話。幽体離脱を経験したことがあるそうな。

夜、布団に入ってうとうとと寝入りかけた瞬間、自分の体が勢いよく浮かび上がるのを感じた。驚いて目を開くと、屋根の上にいて、見慣れた町の夜景が見えたらしい。

はっとした次の瞬間には、部屋の中で天井を見上げていたんだと。

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